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●作品紹介
・高雄市国楽団日本公演(2007)
・天女神楽(2004〜)
・サロメ(2007)
・同志社大学ワークショップ(2007)
・シェイクスピア朗読会(2003〜)
・れんにょさん(1998)
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叫び、感動 … 信仰の本質描く

演劇「れんにょさん」注)このページは、
北國新聞(平成10年3月19日21面)の記事を許可を得て再構成したものです。




道化役を演じ、観客の笑いを誘う新田さん

新田 方氏
にった・まさし 
3月10、11日に金沢市文化ホールで上演された演劇「れんにょさん」(真宗大谷派金沢教区主催、北國新聞社など後援)で脚本、演出、役者の三役をこなした。昭和59年に劇団「座・鳴呼人(アート)」を設立するなど、北陸の演劇界で活躍する。石川県野々市町の上宮寺住職。53歳。
権力に立ち向かおうとする民衆に苦悩しながら、蓮如が吉崎を退出する公演のラストシーン。後方は勤行を披露する金沢教区の僧侶たち =金沢市文化ホール

今回の芝居は、蓮如が越前吉崎を退出する場面で幕を閉じました。やはり、お客さんは主役(丹下一(まこと))さんを蓮如に移し替えてみてましたね。手を合わせる人もいました。伝記物の書物ではわからない蓮如の魅力が伝わったのではないでしょうか。
 私自身、演劇に取り組む前は、蓮如は偉大な人物だと思っていましたが、それは観念的な見方なんですね。われわれ僧侶(そうりょ)の仕事ですと、御文(おふみ)がまずあって、御文の後ろに蓮如がいたわけです。

 芝居に取り組んだことで、今度は蓮如だからこそ、あのような御文が書けたんだなと痛切に感じました。天下を平定するとか、その地方に影響を及ぼす場合、歴史上ほとんど武力ですよね。ところが武力じゃなくて教え一本で多くの人々の心をつかんでいく。わずか四年で北陸を真宗に染め上げる。われわれの想像を超えています。
 字も読めんような人たちが、だれかに習って口づてに覚え込んで御文を読み上げていく。そして体全体で理解するところまで至ったんでしょうね。
「法要のような舞台」
 私が思うのは、浄土真宗というのは明治以降、学問的になって理論的なものを好む傾向になった。坊さんが学者になってしまった。その点、蓮如はむしろ学問的じゃないところを前面に押し出しました。むろん親鸞聖人の「歎異抄(たんにしょう)」「教行信証(きょうぎょうしんしょう)」などを全部読破したうえでのことです。
 芝居では、地元の僧侶が声明(しょうみょう)、勤行(ごんぎょう)を披露する場面もあったんですが、観客の中から「お芝居じゃなくて法要みたい」という声も聞かれました。
 「坂東曲(ばんどうきょく)」は親鸞聖人が越後に流される途中、揺れる船中で念仏を唱えた場面を模したと伝えられ、僧侶が体を前後左右に激しく動かします。このシーンは、自分を支えてくれた叔父の如乗(にょじょう)が死んだ時の蓮如の叫びが込めへられています。
 人間には叫ぴがあると思うんですよ。今の人たちは体裁ぶって叫ぼうとしない。だから叫びの感動みたいなものを坂東曲で表したかったんです。
 今でこそお参りの形態は変わりましたけど、昔はやっぱり感動的なお経が上がると、おさい銭がバーッと投げられた。五百回忌で蓮如が浮かび上がってきたのは、そうした感動が求められているんじやないでしょうか。
 今回の芝居でも、そんな蓮如を表現したいというのが狙いでした。芝居がかった泥臭さのうまみ、妙味を感じていただけたと思います。


蓮如の半生を熱演する主役の丹下一さん


藤山寛美で開眼

 私はだれのために芝居をやるのかというと、お客のためなんです。それに気づかせてくれたのが藤山寛美でした。それまで、われわれはずっと新劇だったんです。「新劇にあらずんば演劇でない」と言われ、演技論とか頭でっかちになってやっていました。
 過去に出演した芝居で、観客に「分かった」と間いたら「いや、分からん」と。演技やってる自分でも分からんのに、見てる人はよけい分からんやろなっていう抽象劇もありました。
 それが大阪で寛美の芝居みたら、「今までわし何やっとったん」と。演劇はお客さんとともに、大衆とともにありたいなと思いました。その意味でも蓮如というのは、私にとって格好のテーマだったかもしれません。


記者メモ
 蓮如はこれまで宗祖親鸞との対比に置かれることで、軽んじられて来た一面は否定できない。そうした見方を離れ、舞台上に一人の宗教者として解き放った時、新田さんは僧侶という立場からは見えなかった新しい蓮如像に触れたという。僧侶が舞台で演じる勤行も新しい試みであり、芝居と仏教儀式が一体となった迫力はそのまま蓮如に通じるものがあると新田さんは言う。

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